こんにちは。はじめまして。小山たばさと申します。この書籍には、子育てと趣味しかしてこなかった、恵まれた人向けの起業法が書かれています。
起業でうまくいっている人のイメージはどんなものでしょうか?劣悪な環境で育ったから自分は絶対に貧乏にならないぞ!という反骨心を原動力にして邁進している人、誰かに負けたくない!見返したい!という、なにくそ根性を武器にしている人。一般的にはそんな感じの人が多くいたりします。
起業セミナーでも、「起業にはエネルギーがいるから、初動はマイナスのエネルギーを使って離陸しなければいけない!」と大真面目に講師の方が語っていることなんてこともあります。でも本当にそうなのでしょうか?起業って本来、何かに勝つために行うようなものなのでしょうか?
私は現在、起業をしていますが、「起業とはそういうものじゃないよ。自分を発揮するための手段だよ。」と超綺麗事を大真面目な顔をして言ってくれた人がいたからこそ、「あ、起業のあり方って別にマイナスのエネルギーを武器にする必要がないんだ!」ってここまでこれたし、私もやっぱりこっちの方のやり方をお伝えしたい。そんな思いからこの書籍を書いていたりします。
だからあなたの人生が荒れていなくても、ずっと子育てに没頭してきたとしても、50歳を過ぎてから起業したいと思ったとしても、この方法であれば、「自分も起業を目指してみたい!」と思ってもらえるかもしれないんですね。
ただしそれには一つ、条件があって、それも含め、解説していきますので、ぜひ、最後までお付き合いください。
読みやすく理解してもらいやすくするため、物語形式で進めていきます。
第一章
「2種類ある起業のやり方」
50歳になる紘子は、大手の企業に勤める夫のおかげで共働きの必要もなく、これまで子育てと趣味に没頭してきた。
子どもを授かったのが遅かったということもあり、50歳を迎えた時、子どもが完全に自分の手を離れ、これからようやく自分のために時間が取れるようになった。これからどんな時間を過ごしていこうかと考えていた矢先、紘子は日課の夫との朝のジョギングで神社にお参りに行き、手を合わせ目をつむった時、少し自分の気持ちがはっきりした気がした。紘子は夫に話しかけた。
こうして50歳から起業することを決めた紘子は、その日以来、YouTubeやInstagramで起業に関する情報を集め始めた。
驚いたことにそこにはたくさんの、いわゆる女性起業家と言われる人たちがキラキラと輝いて発信をしており、紘子はそういう人たちに憧れを感じざるを得なかった。
その中の一人の女性起業家、アンジェリカさんの起業セミナーの案内が目に止まり、紘子は勇気を出してそのセミナーに参加してみることにした。
九段下で行われたそのセミナーは大規模で200人近い人が参加しており、アンジェリカさんの影響力の大きさを感じさせた。
そのセミナーの終盤、アンジェリカさんに質問できるコーナーがあり、紘子は勇気を出して手を挙げてみることにした。するとなんと何十人の人が手を上げる中、紘子がアンジェリカさんから指名されたのだった。
紘子は壇上に上がるように促され、恐る恐るアンジェリカさんに質問をぶつけた。
紘子は緊張の中、勇気を振り絞ってアンジェリカさんに質問すると、自分の前に壇上に上がっていた人たちとは違う反応が返ってきた。
そう言うとアンジェリカさんが会場に向けて発すると歓声が上がった。
会場から大きな笑いが起こった。
「思いませーん!」
紘子は壇上から降りて自分の席についた。あまりのショックでその後のセミナーの内容は耳に入らず、二次会に参加することもなく一人で帰路についた。
夫の言葉を聞いて放心状態だった紘子は我に返り、その時、あまりの悔しさで涙が流れた。
紘子はその日以来、起業への情熱がすっかり冷め切ってしまった。なぜならアンジェリカさんは女性起業家の中ではカリスマとされている人で、ああいう感じでないと起業できないのかと思ったら、自分にはとても真似できないと思ったからだ。
「確かに私が甘かったかもしれない…。」
「この歳から起業すること自体無理なのかな…。」
「女性で起業してバリバリやるにはパワーを持った人じゃないとできないんだろうな…。」
「なにもやってきていない私には所詮無理だったんだ…。」
「確かに起業しなくても生活はしていけるし、そう考えるとあそこにいた彼女たちとはモチベーションが違う…。」
自分に起業が向いていない理由を次々と思い浮かべながら、起業から遠ざかりたい気持ちがますます強くなっていく。
「少なくともあのセミナーの壇上で感じた思いは二度としたくない。わざわざ嫌な思いまでしてすることなんだろうか?」
自分の中の起業熱を抑えよう抑えようと自分に言い聞かせ、でも、あの日のことを忘れよう忘れようとしても、なぜか忘れられず、紘子の表情は日に日に暗くなっていった。
それでも、唯一の趣味のピラティス教室だけは頑張らないと。「あなたには何もできない!」と言われたことが悔しくて、趣味のピラティスだけは続けよう。そんな思いでピラティスのレッスンに出向いた、レッスン後のロッカールームでの出来事だった。
ピラティスの恵子先生は、紘子が通う教室の先生でご自身で起業され活躍されている方。紘子がとても憧れている女性。
紘子が起業したいと思った理由の一つも、恵子先生のように自分を表現しながら生きてみたいと思ったことがあり、以前から「いずれ自分も起業できたらいいな」なんてことを相談していた仲だった。
気持ちが沈む中でもレッスンに出向いたのは、アンジェリカさんのこともあり、違うタイプの起業家に会いたくなっていた思いもどこかにあったのかもしれない。
そんな紘子の思いを察してか、紘子の顔色を見たピラティスの先生、恵子先生が紘子に話しかけた。
そう言うと恵子先生は紘子に一冊の冊子を手渡した。
冊子を持ち帰った紘子は自宅でその冊子を読み、そしてまた、恵子先生のピラティスの教室の日を迎えたのだった。
※リミッティングビリーフ
リミッティングビリーフとは、人の行動や思考を制御する価値観や観念、自我のことを言う。リミッティングビリーフは、0歳〜12歳までに人の中に作られてその人を制御し、リミッティングビリーフという制限が取れるような大きな経験がない限り、人はリミッティングビリーフの制限の中で人生を送ることになると言われている。リミッティングビリーフは6歳までに作られた自己承認欲求「インナーチャイルド」と12歳までに作られた思考・行動パターン「インナーペアレント」と二つで構成される。
紘子は恵子先生から冊子を受け取り、帰ってすぐに冊子を読んだ。
未来書き換え自分年表作成講座とは、自分の内観するためのツールで、講座というよりは自己内観のためのツールだとわかった。
アンジェリカさんから垂らされた私の墨汁は、アンジェリカさんを振り払うだけでは取り除くことができない。その墨汁はもともと自分の中にあり、未来書き換え自分年表作成講座を行うと、1ヶ月でその根本的な除去法が自分の中に確立されるということがわかった。
こんなツールを開発できる加奈子さんという方は何者だ?と思いつつも、もう私はこの講座を受けることを止めることはできなかった。だから、主人を説得するために自分なりの言葉で主人に講座を受けて良いか?尋ねようとした時、主人は、私の説明もろくに聞かず、「そっちに進むのが正解だよね!」とだけ言って背中を押した。
この時、主人と魂の奥深いところでつながっている感覚を覚え、恵子先生に電話し、講座受講の旨を伝えると、恵子先生はこう言ったのだった。
「紘子さんの起業の本当のスタートはここからだね。」